罪悪感とは、私は悪い人間なので罰せられるべきだという感情です。
そんな罪悪感について、詳しい心理と例、それから手放すべき理由もお話します。
この嫌な感情が人間に及ぼす影響とは、どのようなものがあるのでしょうか?
心理学だけでなく、一般的にも結構使われているので何となく分かる部分もありますよね。
しかし、この記事を読み進めることで、あなたが思いもよらない心理も見えてくるでしょう。
罪悪感を持ってしまったとき。罪悪感を持っている人がいるとき。
そんなときの対応も分かってくるはずです。
罪悪感を感じるとき
罪悪感を感じるときというのは、例えばこういうときです。
- ひどいことを言った
- 浮気をしてしまった
- 遅刻をしてしまった
- 見捨ててしまった
罪悪感は、自分が悪いと思っていることをしてしまったときに感じる感情です。
人によって罪悪感を感じる出来事は違いますし、その強さも違ってきます。
恋人を振ってしまったとき、罪悪感が強過ぎていつまでも苦しむ人もいれば、すぐに忘れて次の人を見つける人もいます。
人前では明るく振舞って、実は罪悪感でいっぱいって人もいますので、見た目で判断することはできません。
同じ事柄でも人によって罪悪感の強さは違うものです。
そして、罪悪感が強いときほど、謝りにくいです。
「アイツ、あんなことしといて謝りもしないで!」
って誰かに思ったことありませんか?
見た目には悪いと思っていないように見えても、実はすごく悪いと思っているからこそ謝れない。そんなこともあるというわけです。
こちらとしては、一言謝ってもらえればスッキリするし、許してあげるのにって思うこともあります。
ですが、その人は許されるとは思っていない、ということがよくあるのです。
罪悪感の一例
罪悪感という心理の例を挙げます。
例えば、同僚のデスクの上の消しゴムを床に落としてしまったとしたら、「あっごめん」と言ってすぐ拾えば済みますよね?
ですが、亡くなった奥さんの形見だと言って、いつも大事にデスクの上に置いていた湯のみか何かを、あなたの不注意で落として割ってしまったとしたらどうですか?
さらに割れた湯のみを見て、持ち主が無言でポロポロ涙を流していたとしたら?
「あっごめん」と気軽には言いづらいですよね?
このように罪悪感が強いほど謝りにくいのです。
また、このようなときの心の動きとして、まずは自己攻撃が始まります。
そしてしばらくすると、自分の心がいっぱいいっぱいになって、その攻撃は外へ向かったりします。
- もっと注意していれば良かった!なんでちゃんと見てなかったんだよ私!(自己攻撃)
- あそこで〇〇してなければ、こんなことにならなかったのに!(自己攻撃)
- だいたい私っていつもそう!あのときだって・・・(自己攻撃)
- そもそも、こんなところに置いておくのが悪いんだ!(他者攻撃)
- そんなに大事なものなら、ちゃんとしまっておけ!(他者攻撃)
こんな感じです。身に覚えがありませんか?私はいっぱいあります・・
あなたの周りの罪悪感野郎
あなたの周りにはどんな罪悪感野郎がいますか?
先ほどの例のように、自分を責めまくっていっぱいいっぱいになると、「お前が悪い!」と言い出すことが多いです。
「アイツが悪い」
「コイツが悪い」
と人に言いまくってる人が心の中で思ってることは、「本当は自分が一番悪い」ということかもしれません。
普段から色んな罪悪感でいっぱいの人は、自己攻撃で心の中がいっぱいになるのが早かったりします。
常に溢れそうになってるようなもので、責められるとすぐ怒るような人などは、そんな状態になってる可能性が高いですね。
先ほどの例の1番上の自己攻撃のあと、すぐに上から4番目、5番目に飛ぶような感じです。
罪悪感が強い人は、常に自分で自分を責め続けてるような状態なので、人に責められると「分かってるわ!」という感じで腹が立ちます。
ただ実際には、
分かってる=その通りです
と感じるのは一瞬で、即座にお前が悪い、あいつが悪いに移行してしまいます。
あなたの周りにいる、他人のせいばかりにする人、怒りっぽい人、謝らない人。
それはもちろん、その人の心の未熟さもあり、周りの人が迷惑なのは分かりますが、実は罪悪感でいっぱいなんです。
「この人は自分を責め続けてるのかもしれないなぁ~」
という目で見てあげると、若干同情する気持ちもわいてきて、少しはあなたの心も穏やかになるかもしれませんね。
では次に、罪悪感の種類について説明します。
罪悪感の種類
罪悪感には大きく分けて2種類あります。
- 「やってしまった罪悪感」
- 「やらなかった罪悪感」
この2つです。
やってしまった罪悪感の例は、
- 人を傷つけてしまった
- 恋人を振ってしまった
- 会社に遅刻してしまった
やらなかった罪悪感の例は、
- 宿題をやらなかった
- 倒れていた人を無視してしまった
- 電車で妊婦に席を譲らなかった
などです。
この2種類の罪悪感について、どんな感覚なのか分かりやすいようにストーリーを作ってみました。
やってしまった罪悪感のストーリー
まずはやってしまった罪悪感の仮想ストーリーです。
分かりやすいよう極端な事例にしてありますので、どんな感じだろう?と想像しながら読んでみて下さい。
*ここから*
あなたは悪いと思いながらも、「ちょっとなら大丈夫だろう」と思い、酒を飲んで車の運転をしていました。
こんなこと今まで一度も無かったのに、赤信号に気が付かず、交差点を走り抜けようとしたところ、横断歩道を渡る自転車を思い切りはねてしまいました。
あわてて駆け寄ると、まだ小学生くらいの少年・・・
救急車を呼び、少年は病院へ行きましたが、あなたは警察に現行犯逮捕されます。
警察で事情聴取を受けていると、少年が死んでしまったことを伝えられるのです。
少年の両親は、病院で発狂したかのように泣きじゃくっていたそうです。
このとき感じる
「私はとんでもないことをしてしまった」
という感覚が、「やってしまった罪悪感」の一種です。
やらなかった罪悪感のストーリー
次はやらなかった罪悪感の物語を作ります。
また感情を想像しながら読んで下さいね。
*ここから*
あなたが医者だったとします。
休日に外を歩いていると、たまたま苦しそうにうずくまった人を発見します。
あなたがその人を診てあげれば、ひょっとすると症状が分かり応急処置が出来るかもしれません。
でも今日は休みの日だし、知り合いならともかく、見ず知らずの人。
しかも今急いでるし・・・っと見て見ぬふりをしたとします。
その後ニュースで、うずくまっていた人が亡くなったことを知ります。
このとき感じる、
「あなたは出来たはずなのにやらなかった」
と責められてるように感じるのが、やらなかった罪悪感の一種です。
一般的には「やらなかった罪悪感」の方が強いと言われていますが、どちらもキツイですよね。
罪悪感を手放す
罪悪感を感じたらどうすれば良いのでしょうか?
罪悪感を感じているときは、自分で自分を責めまくっていますので、「罪悪感を手放そう」とはなかなか思うことが出来ません。
だって罪悪感って、自分は悪い事したんだから罰せられるべきだという感情です。
罪悪感を手放す=自分を許すなんて滅相も無い、許されるはずがないと感じるからです。
罪悪感は手放すべき
しかし罪悪感は手放すべきものです。
罪悪感を持っていても、誰にもメリットはありません。
被害者が存在するような出来事の場合、被害者やその関係者は、加害者に対して罪悪感を持ち続けるべきだと思うかもしれません。
その気持ちはよく分かります。私も同じことを思うでしょう。
しかし、それをしたところで、誰も何も得することは無いのです。
それよりも罪悪感を手放してもらい、早く和解した方がメリットが多いです。
そうしないと、ずっとその出来事に縛られてしまいますからね。
そうは言っても、なかなか出来ないですよね。「言うは易く行うは難し」です。
日々生きていく上で、次から次へと罪悪感を感じるような出来事は起きてしまうので、完全にすべてをなくすということは出来ません。
でも、昔から抱えている古い罪悪感は、少しずつでも手放していきましょう。
今からお話することは、強い罪悪感で苦しんでいる人に是非聞いて欲しいことです!
罪悪感は誰の為に手放すのか
罪悪感はあなたの為だけに手放すのではありません。
あなたの周りの人や、あなたを愛する人たちのために罪悪感を手放しましょうということです。
罪悪感を持っていると、自分で自分を責めます。
自分を責めている度合いだけ、他人もあなたを責めているように感じてしまいます。
そうすると苦しいので、他人と離れようとします。そうやって人と距離を取ってしまうようになるので、あなたはもちろん、周りの人も寂しいです。
また、罪悪感があって自分は罰せられるべきだと感じていると、人からの愛情を受け取ることが出来ません。
愛情はご褒美なので、罰を受けるべき自分は、受け取るわけにはいかないのです。
そうするとあなたを愛してる人たちは、どれだけあなたに愛情を送っても受け取ってもらえません。
さらに、愛情を受け取れないあなたは、
「受け取れなくて申し訳ない」
とまた罪悪感を強め、さらに分離し、より愛を受け取れなくなるという悪循環にハマります。
あなたが罪悪感を持ち続けることは、周りの大切な人たちをも苦しめることになるのです。
一刻も早く手放していきましょう。
罪悪感という心理のまとめ
罪悪感を手放すことは、単純に言うと自分を許すことです。
あなたは罪を犯したかもしれません。申し訳ないことをしてしまったかもしれません。
ですが、それで罪悪感を持ち続けることは、さらに人に対して悪いことをしていることになります。
本当に悪いと思うなら、自分を許して罪悪感を手放す勇気を持ちましょう。誠心誠意、謝る勇気を持ちましょう。
自分のためではなく、あなたを愛してくれる人たちのために。